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2015.12.16PR

【年末繁忙期企画 衛生管理特集】衛生管理の徹底があってこそお客様を笑顔にする!

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いよいよ一年で最も多忙を極める12月。
お客様が多く来店するこの時期には必然と事故が起こる可能性が高く、
従業員も衛生管理に対し細心の注意を払い営業に徹しなければならない。


当社グループ会社のゴールデンマジックは、今年3月に防火防災・衛生管理体制の強化を図るため「リスク管理室」を新設致しました。そのトップの座についたのは、衛生知識に長けた山田博義取締役。衛生管理遵守の徹底を誰よりも熱く、強く唱える山田取締役がその重要性について語ります。


1.リスク管理室のミッション

商品開発、食材の仕入れ、商品マニュアルの作成など業務範囲は多岐に渡りますが、衛生管理の徹底を促し、事故が起きないようにすることが主要ミッションです。内部監査室で実施している臨店衛生チェックの結果をもとに私の方で指導事項を組み上げ、店舗へ改善指導を行います。写真とともに改善結果を報告させているのですが、指摘された部分しかやらないことも多く、根気強く指導し続けています。特に結果の悪かった店舗に関しては、出向いて再チェックを行い、時には一緒に作業しながら改善指導をすることもあります。今は主に、同じリスク管理室に所属する社員が臨店して従業員や金銭の管理、清掃も含めてチェックしています。もちろん、衛生指導を行うことが一番の目的でありますが、従業員のガス抜きをしてあげることも「リスク管理室」の重要なもう一つのミッションだと捉えています。リスク管理室所属の社員は、職歴も長く現場経験も豊富。事業部長とは違った視点で状況を把握し、積極的にスタッフとのコミュニケーションを図り、中途社員や若手の社員の助けになってくれようとしています。


2.衛生管理を軽んじて、売上追求に走るのは本末転倒

スタッフの意識の中に、衛生の重要性が占める割合がすごく低いというのは前々から問題だと思っています。衛生管理を怠ったことで事故を引き起こしたのだとしたら、すべてが水の泡になってしまいます。給与評価基準を売上実績半分、衛生管理半分にしてもいいくらい、私は重要なことだと捉えています。私たちの商売は、お客様に喜んでもらって対価をいただくこと。お客様を悲しませるなんてことは言語道断です。
12月はお客様が増えるため、事故が起こる確率も必然的に高くなります。前職でSVを勤めていた時に、渋谷の店舗で食中毒が発生したのですが、渋谷区の保健所は都内でも厳しく、一週間の営業停止と店舗設備改善令が下りました。このことで、営業機会損失により売上1,500万円が飛びましたし、会社の評判も悪くなりました。売上を追求することはもちろん大前提なのですが、衛生ルールを守らないで売上を追いかけるのは、「サッカーの試合で、手を使ってゴールして喜んでいるようなもの」だと私は思っています。
また、私の担当ではありませんでしたが、料理長不在時にアルバイトスタッフが過熱不十分な鶏肉を提供したことにより起こした食中毒事故もありました。その料理長は責任を感じて辞職してしまったのですが、奥さんと子どもがいるのにこれからどうするのかと尋ねたら、トラックの運転手でもやりますと答えたのです。もちろん、アルバイトに教育・指導していなかった料理長にも責任はありますが、その店を担当していたSVには、お前は何を見て、何を指導しているのかと叱責しました。部下がそういう状況に陥ってしまったら、本当にやり切れないですよね。そういう結果になったら、誰もが不幸になる。どうしても売上追求が先に立ってしまうけど、幹部はそういった場面を防ぐためにも、衛生管理に関してもっと強く指導をしなくてはいけないと思っています。


3.飲食人として衛生遵守は当たり前

飲食店で働いている以上、個店であっても企業であっても衛生知識は誰もが当たり前に持っていないといけない。座学で勉強しなくても、普通に営業していれば当たり前の知識として身についているはずです。衛生が苦手という声をよく耳にしますが、それは、楽がしたいだけであったり、単に面倒臭かったりするだけ。自分や大切な家族に食べさせる気持ちを持って、料理やサービスを提供することが大事です。常に自分の身に置き換えて行動することで、意識が保たれると思いますね。


4.自らの身を持って体感した食中毒の怖さ

以前、食中毒を発症したらどんな症状になるのか知っておきたくて、ポカリスエットと抗生物質を手元に用意し、意図的に生じさせたことがあります。一つ目は、ノロウイルス。変色した加熱用牡蠣を食して感染しました。変色がこのレベルだとあたるということが分かりましたね。5、6時間ぐらいの潜伏があって発症しましたが、下痢、嘔吐、発熱で2日間ぐらい症状が続きました。二つ目は、カンピロバクター。カンピロバクターの主な原因食品は生の鶏肉なので、状態の悪化したレバーを食しました。口に入れた瞬間、これはヤバいなというのが分かるほどでしたね。数時間の潜伏があって、2、3日間下痢と嘔吐に苦しみました。三つ目は、アニサキス。アニサキスとは寄生虫の一種で、寄生している魚介類を生または加熱不十分な状態で食すと食中毒(アニサキス症)が起こります。その時は、鰹のハランボを食しました。6時間程で発症し、一匹か二匹だったと思いますが、胃の上に激痛が走りました。胃袋突き破るほどで、抗生物質を飲んで薬が効いてくるまで、ベッドの上で悶えていました。救急車を呼ぼうと思ったぐらい、アニサキスが一番辛かったです。
食中毒になるとどうなるのか、実体験をもとに話して指導に役立てていますが、本当に苦しかったですね。一度なってみると衛生管理の重要性が身に染みて分かります。


5.12月繁忙期、特に注意すること

生肉の処理、特に豚肉や鶏肉の取り扱いには注意が必要です。生肉には、必ず手袋を着用の上で触れる決まりとなっていますが、その手で冷蔵庫の取手などを触ってしまうことがあった場合、例えば、サラダ場のスタッフが何も知らないで冷蔵庫の取手を掴んだ後、その手でサラダを作ったら感染してしまいますよね。この二次感染のパターンが食中毒でも結構多いので、忙しくなる12月の営業中には特に注意が必要です。
また、もつ鍋に関しては、カンピロバクターに気を付けなければいけません。もつ鍋は、お客様の席で調理を完成させるのですが、結局、お客様が過熱不十分で食べてしまったり、モツを触った自分の箸を口に入れてしまったりすると食中毒が起こる可能性があります。お客様はそういった知識が弱いということを念頭に置き、お客様にお任せにするのではなく、スタッフが注意をして見て差し上げることがベストです。宴会が多い12月にはなかなか難しいと思いますが、繁忙期ほど注意が必要です。
あとは、ノロウイルス。ウイルスに感染した人が来店し、そこから蔓延します。不特定多数の人が触るトイレのドアノブを定期的に塩素で消毒することなどを指導し、注意を促しています。



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取締役 リスク管理室長
山田 博義

やまだ ひろよし/1970年生まれ、北海道出身。料亭・割烹での板前、㈱三光マーケティングフーズにてSVを経て、2009年9月ゴールデンマジック入社。2015年3月より取締役 リスク管理室長に就任。


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